藤の盆栽の育て方

藤(ふじ)の盆栽

晩春から初夏にかけてつける、垂れ下がった花が特徴的なのが藤(フジ)。
古くから日本に自生していた固有種(ノダフジ・ヤマフジ)もあり、古い書籍でもたびたび名前の挙がる、日本人にとってはとても馴染みの深い木です。

藤の木と言えば藤棚に仕立てられたものが多いのですが、立ち木仕立てやスクリーン仕立て、壁面仕立てにすることもできます。
もちろん鉢で仕立てて盆栽にすることも可能です。

なんといっても藤の見所は花です。
たわわに咲いた花が滝のように垂下する姿は圧巻です。
きれいに咲かせることを意識して、花以外の時期のお手入れをしていきましょう。

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藤の育て方

藤(ふじ)って?

藤(ふじ)の特徴

フジには、つるが右巻きに巻くノダフジと左巻きに巻くヤマフジの2種類があります。
一般にフジというとノダフジを指すことがおおく、園芸品種として育てられるのもノダフジが多いですね。
花序が長く枝垂れるのも大きな特徴で、ノダフジは長いものだと1mを超える長さにもなります。ヤマフジのほうは比較的短めになります。

つる性の植物で、周りの木に巻きつきつつどんどんと大きくなります。
いずれは巻きついた木の日照を奪い、枯らしてしまうこともあります。
自生地ではそういった姿の藤も多いですが、管理下にあれば周りの木を枯らすこともなく育てることもできます。
もちろん盆栽の樹形にも仕立てられます。

生命力が強く、葉も旺盛に茂ります。
つるもよく伸び、夏場の管理はまさにつるとの戦いともいえますね。
伸びたつるはとても堅くなるので籠などを編むのにも使われていましたが、最近では少なくなったようです。

藤(ふじ)の盆栽の育て方

藤(ふじ)の剪定

初夏の花が終わった時期に初夏の剪定は樹形を整える為の弱剪定、冬の休眠期に強剪定をします。
もっともつるが伸びる夏に多くの日光に当て、力を蓄えることで花芽がつきやすくなるので、木の内側の葉にまで日が届くようにしてあげましょう。
具体的には、下記のとおりです。

  • 花が枯れてきたら花柄摘みをして、実に養分を取られないようにする。
  • 花が終わった頃に伸びたつるは4・5芽ほどを残して切り、短い枝が出るように仕向ける。
  • 日の妨げになるような込み合った枝を整理して、日照と風通しを良くする。
  • 7月〜8月は花芽がまだできていないので、剪定はしない。
  • 休眠期に入ったら、花芽を切らないように注意して、樹形を乱す不要枝を処理する。

勢い良く伸びるつるに花芽はつかないので、盛夏以外の時期なら50cmくらいで切っても大丈夫です。
それ以外の時期でスペース上邪魔な時は、つるの先をくるっと巻いて止めておきます。

藤の花は30cm〜50cm程度の花弁がつきます。長いものでは1mにもなるので、それなりの樹高を確保するか懸崖にするなどして花の咲くスペースを確保しましょう。
そういう意味ではミニ盆栽にはちょっと向かない樹種と言えるかもしれませんね。

藤(ふじ)の植え替え

藤は落葉樹なので、11月末に葉が落ちてから新芽が動き出すまでは休眠期となり、植え替えをしても負担が少ない適期となります。
土壌はそれほど選ばす、水はけの良い土なら大丈夫です。
植え替えの際には鉢に合わせて根の処理も必要になりますが、藤は根を切られることを嫌うところがあるので、できるだけ根は切らないほうがいいようです。
長い根は植え替える際にくるっと巻いて縛り、そのままにして植えつけましょう。

藤(ふじ)の潅水(水遣り)

藤は非常に水を好みます。
地植えの場合はそれほど気にしなくてもいいのですが、盆栽にする場合には水切れに注意が必要です。
春・秋には一日1回。夏には1日2回。冬には2〜3日に1回を目安にします。
盛夏には腰水をして水切れを防ぐ方法もありますが、根を傷める可能性もあるのでよく見ておきましょう。
日光を好むので日差しのある場所がいいのですが、盛夏には鉢の水が熱くなりますので、鉢には日が当たらないような工夫が必要かもしれません。

藤(ふじ)の施肥

花が終わってからのお礼肥と寒肥を施します。
藤はマメ科の植物で、根粒菌と共生しているのでそれほど肥料は必要としません。
ただ、盆栽などで鉢に入れてあるときには花を多くつけるための養分として施肥をすることは意味があると思います。
窒素分が多いと葉ばっかりが茂って花がつきにくくなるかもしれないので、リン酸とカリを多く含んだ肥料がいいようです。

藤(ふじ)の増やし方

実生・接ぎ木・取り木・挿し木で増やすことができます。

種を植える場合は、親木から乾燥した鞘を割って種を取り出し、採り撒きします。
実生の場合は、親木とまったく同じ性質の木が生えてくるかどうかは分からず、花の咲きやすいものが生えるかもしれませんし、逆に花を付けにくい固体になるかも。また、花をつけるまでにかなりの年月を要します。
でも、生まれた時から世話をするわけですから愛着は人一倍(藤一倍?)。
長〜い目で見守りましょう。

接ぎ木をすれば、親木と同じ固体を増やすことができ、また花がつくまでの期間も短縮することができます。
適期は3月くらいです。
同様に取り木も有効で、6月くらいに作業を行ってください。3ヶ月〜5ヶ月くらいで発根が見られますが、念を入れるなら半年位は様子を見てもいいかと思います。

挿し木をする場合は3・4月か6・7月に。20cm程度の穂木をとって赤玉土+腐葉土や培養土に植えます。
しばらくは明るい日陰などにおいておき、落ち着いてから徐々に日光に慣らすようにしましょう。
その間も乾燥させないように水やりは忘れずに。

藤(ふじ)の花を咲かせる方法

基本となるのは、やはり花芽をよくつけるための作業です。
花芽分化の時期は7月の末から8月の間。
この期間に花芽がよくつけば、来年の4月末〜5月中くらいにはきれいな花を見ることができます。

それ以外にも藤の花が咲かないのにはいくつかの理由が考えられます。

日照不足
盛夏の育ち盛りの時期に日に当たらないと、新たな花芽をつけるための力が蓄えられません。
株元は日陰でも葉には十分に日光か当たるようにします。
水分不足
水を好む木なので、乾燥気味だと元気がなくなってきます。目安はありますが、状況に応じて適度な水遣りを心がけましょう。
栄養過多
鉢植えを地植えに植え替えた時や鉢が大きすぎる時など、余力が大きいときに藤はつるや葉を育てるのに力を注ぎ、花芽をつけなくなります。腰水や根きりで根に適度なストレスをかけて力を削いでみると花芽の付きがよくなります。
剪定のしすぎ
花芽の分化前に枝を切り詰めたり、できた花芽を切り落としたりすると花がつかなくなります。面倒くさくても夏のつるは残して、休眠期に花芽を確認してから落とすようにすると失敗が少なくなります。
木が若い
実生や挿し木で増やした場合には、ある程度木が熟成するまで花を咲かせません。
一般には5年〜10年くらいかかるとも言われているので、あせらずに待ちましょう。
どうしてもという時には、小さめの鉢に植え替えるとか腰水をして弱らせるなどしてストレスを与えてやると、期間を短縮できるかと思います。
いじめすぎて枯らさないようにしてくださいね。

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